成年後見

成年後見制度とは

成年後見制度とは

認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりすることが困難な場合があります。
また、自分に不利益な契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。
このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。
成年後見制度は大きく法定後見と任意後見にけられ、法定後見では本人の判断能力の程度によって支援する人の権限が「後見」「保佐」「補助」という3つの種類に分けられています。
当事務所では、後見人等の選任申立、任意後見契約に関するご相談や手続を全面的に支援いたします。また、ケースによっては、後見人に就任させていただくこともございます。
成年後見に関するお悩みごとなどご遠慮なくご相談ください。

▶ このようなお悩みがある方々に活用されています。

» 認知症の親を悪質商法から守りたい!
» 知的障がいのある子供の将来が心配・・・
» 将来、判断能力が衰えた後のことを考えて、信頼のおける後見人を選んでおきたい。
» 親が最近物忘れがひどくなり、買い物をするにも支障が出るようになった。
» 認知症の父が所有している不動産を売却して入院費に充てたい。
» 寝たきりの父の世話をしているが、他の兄弟から財産管理の面で疑われている。
» 老夫婦のみで暮らしているが生活が困難になったときに子供たちには面倒をかけたくない。

法定後見

後見制度

「後見」を利用することができるのは、自分の財産を管理したり処分したりすることが全くできない方です。具体的には、重度の知的障がい者・精神障がい者・認知症高齢者などで、ほとんどの常態として判断能力がなく、自分だけで物事を決定することが難しく、日常的な買い物も1人ではできないという方です。
家庭裁判所によって後見人が選任されると、後見人は本人に代わってあらゆる契約を結ぶことができます。また、本人が自分自身で、自分にとって一方的に不利益な内容の契約を結んでしまった場合には、その契約を取り消して白紙に戻すことができます。
例えば、本人に代わってマンションを購入したり、介護サービスを受ける契約をしたり、介護施設に入所させるための契約をしたり、また、本人が訪問販売で悪質な商品を購入させられたというような場合には後見人はその行為を取り消して、購入したことをなかったことにすることができます。

保佐制度

「保佐」を利用することができるのは、重要な財産(土地や車など高額な物)を管理したり処分したりするには、常に援助が必要な方です。具体的には、知的・精神的障がいのある方、認知症がある程度進行している高齢者など、判断能力が著しく不十分で、日常的な 買い物くらいは自分でできるが、重要な契約などは難しいという方です。
家庭裁判所により保佐人が選任されると、保佐人は、本人が自分にとって一方的に不利益な 内容の契約を結んでしまった場合に、その契約が、お金を借りる、保証人になるなど法律で定められた一定の重要な行為であれば、その契約を取り消して、白紙に戻すことができます。
また、家庭裁判所により与えられた権限の範囲で、本人に代理して契約を結ぶことができます。
例えば、いずれ介護施設に入居しなければいけないような方の場合には介護施設の入居についての契約を代理することができ、不動産をたくさん持っていて管理が必要だと思われる場合には、不動産の管理を代理する権限を保佐人に与えることができます。
本人それぞれにあった内容で保佐人に代理する権限が与えられることになります。

補助制度

「補助」を利用することができるのは、判断能力が不十分ながら自分で契約などができるが、誰かに手伝ってもらったり、代わってもらうほうがよいと思われる方で、具体的には、軽度の知的障がい者・精神障がい者・初期の認知症状態にある方です。
家庭裁判所により選任された補助人は、裁判所により与えられた権限の範囲(予め同意や代理による保護を要する事項を定めて申立てます)で、契約を取り消したり、本人に代理して契約を行うことができます。必要な事柄について、必要な程度で、本人を援助します。本人の生活・療養看護、介護支援契約、不動産の処分など重要な判断を求められる場面での利用が考えられます。

法定後見の流れ

1.申し立て 
後見・保佐・補助の開始の申し立て。
申し立てできるのは以下の方に限ります。
本人・配偶者・4親等内の親戚。
2.家庭裁判所 
審判手続
【調査】 → 【鑑定】 → 【審問】 → 【審判】(約2週間~2ヶ月)

3.選任 
審判の結果、成年後見人、保佐人、補助人などが選任されます。
場合によっては、監督人(成年後見監督人など)を選任することもあります。

4.成年後見等の開始 
成年後見等は、本人あるいは本人の親族などが家庭裁判所に後見等の開始を求める申立を行い、家庭裁判所がそれぞれに該当すると判断すると、後見人、保佐人、補助人が選任され、成年後見等が開始します。
なお、成年後見制度は、自分でできることは自分で行い、不足しているところを補うとの理念から、保佐人に代理権を与える場合や補助を利用する場合には、本人の同意が必要です。

任意後見

任意後見

任意後見は、

『今は元気でも、将来、認知症になってしまったら・・・』

という不安に備えて、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくものです。

任意後見の手続

この任意後見は法定後見の制度と任意後見の制度では、手続の流れが違っております。

後見人の候補者や支援の内容が決まったら、公証役場において、本人と後見人候補者の間で任意後見契約を結びます。任意後見契約は、本人が元気な間はスタートしません。
将来、本人の判断能力が低下してきたら、後見人候補者や親族が家庭裁判所に対し後見監督人(後見人を監督する人)の選任を求める申立を行い、後見監督人が選任されると任意後見が開始します。
任意後見人は、任意後見契約(本人の意思)にしたがった適切な保護・支援を行います。
任意後見監督人は後見人が本人に代わって行う事務が適正であるか監督し、後見人の怠慢や暴走を抑止することになります。

成年後見にかかる費用

成年後見にかかる費用は、ご本人の状況や選択する手続、財産の内容や評価額などによって異なります。金額や計算方法は事前のご説明や見積書によりご確認いただきますのでご安心ください。

右は後見の申立にかかる費用の一例です。

収入印紙800円
予納郵券(切手)3,910円
予納登記印紙2,600円
医師の鑑定費用(ケースにより必要となります)5万~10万円
司法書士報酬(ご相談・資料収集・申立書付属書類作成)10万円
※別途消費税が必要です